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1 契約書の重要性
証拠には契約書などの「書証」と人間の証言という「人証」の二つがあり、法律上は優劣はないことになっていますが、法廷では相手側の証人や相手方はなかなか本当のことを話してくれず、民事訴訟の尋問は「嘘つき大会」ともいえる場合もあります。
人証については別のところでお話ししますが、書証は極めて大切で、中でも契約書は非常に重要な意味を持っています。
しかし、日本人はあまり契約書の重要さを理解しておらず、いろいろな契約において業者から「ここに名前を書いて判子を押してください。」と言われると、中をよく見ないまま署名捺印する人が多いのです。
不動産の売買契約においては、資格を持った宅建士が重要事項説明書を必ず読み上げて交付しなければならないことになっていますが、その内容をよく理解しないまま相談にこられる方が多いのが現状です。
不動産の売買契約において一般的に用いられている宅建協会などの標準書式では、手付解除(相手方が履行に着手するまで買主は手付金を放棄し、売主は手付金の倍額を返還して契約を解除できる)期限、ローン条項(住宅ローンが下りない場合の解除)、売主の担保抹消義務、境界の明示義務などが定められていますが、特約条項でこれらの条項のうち一部が適用されない場合があります。
建物の賃貸借契約においても、「ここに名前を書いて判子を押してください。」と言われて、定期借家契約と知らないまま、定期借家契約をしてしまった人もいます。
法律はこのようなことを防ぐために、契約書とは別に更新のない定期借家契約であることを説明する書面を渡さないといけないことにしていますが、そのような書面を受け取りながら定期借家契約をしたという認識がない人もいるのです。
契約書は契約の当日に見るのではなく、数日前に受け取って、何が売主の義務なのか、何が買主の義務なのか、特約条項にはどのようなものがあるのか。などを慎重に検討する必要があります。
契約書を見てその内容が理解できない場合や疑問がある場合は弁護士に相談してください。
相談者が、「相手方との間では、こういうことになってます。」と言うので、私が「そのことを示す書面を見せてください。」と言うと、「書面はありません。」という場合が結構あります。
裁判では、この「書面外の合意」というのが、弁護士にとっては困りものです。
書面にしていない合意を相手が守らない場合、裁判で「確かにそのような合意をしましたが、守っていません。」などと正直に言ってくれる相手方は少なく、「そんな合意はしたことはない。」と言うことが多いので、裁判でそのような合意を認めてもらうことは困難です。
相手方に必ず守ってもらいたい合意は書面にしておくべきであって、書面にしていない合意というのは相手方が守らない場合はあきらめなければならないと考えるべきです。
大事な契約では、契約の段階から弁護士に相談しておいた方がいい場合もあります。
2 医者と弁護士は、かからないほうがいいが、知り合いはいた方がいい。
私はよく「医者と弁護士はかからないほうがいいが、知り合いがいた方がいい。」と言っています。
気軽に相談でき、信頼ができる医者がいれば、少し体調が悪ければ相談に行って、重大な事態になることを防げるでしょう。
相談に行って何も問題がなければ、それに越したことはありません。
弁護士も同じです。
疑問があっても、弁護士を知らないために弁護士に相談しない人は結構いると思います。
少し疑問があれば相談に行ける弁護士を知っていると、重大な事態になることを防げるでしょう。
